以下、ボランティアを通して今回僕のしてきたことです。ボランティアを利用するんじゃないっていう否定派の方は読まずにスルーしてください。
また、現地の被害の様子などの写真はプライバシー等の理由により、撮影しておりませんので、ご了承ください。画像などが見たい方は各社のニュースをご覧ください。
ボランティアに行くことにした理由
平成30年7月20日から3日間、僕は広島県呉市安浦町にボランティアに行くことになった。
西日本豪雨による壊滅的な打撃を受けた地域のひとつだ。
僕がボランティアに行くことにした理由は下記の通り
・純粋なるボランティア精神
・誰かの役に立ちたかった
・愛知県をいつか襲うと言われている南海トラフ大地震に向けて、災害対応の流れや現地でのニーズを学んでおく
・災害時に必要なリーダーシップを肌で感じておく
・本業である防災業の知見を広める
・子供に背中を見せる
ボランティアを通じて子供に教育する方法
前述の理由の中の子供に背中を見せるという所をピックアップします。
僕が今回の災害ボランティアに行くと決めた後、息子3人に先ず西日本豪雨の現状をテレビや新聞、ニュースサイトを通じて見せました。
冠水している様子や瓦礫や土砂の山を見せて、
僕「これ見てどう思う?」
息子「怖い。これからどうやって生活するの?おうちで寝れないじゃん」
僕「そうだよ。今、とっても困っている人がいて、お父さんは少しだけだけど、助けに行こうと思う」
息子「なんでお父さんなの?他の人じゃいけないの」
僕「お父さんじゃないといけないんじゃなくて、誰でも行くことができる。だから自分で選んで行くんだよ。それをボランティアって言うんだよ」
僕「誰かが困っていたら必ず助けに行きなさい。お友達が困っていたら声をかけてあげなさい。そうしたらいつかお前たちが困っている時に誰かが助けてくれるよ」
僕「金土日とお父さんと遊べないけど我慢できるか?行ってもいいか?」
息子「うん。いってらっしゃい」
そんな会話をして家を出発しました。僕はこの会話をして背中を見せるのが教育だと思っています。
もちろん、現地に連れていくことができません。でもただ留守番させるだけじゃなくて、自分が親としてどう生きるかを子供に感じさせることができたと思います。
翌日、現地での作業中に妻から、息子たちが大きくなったらお父さんみたいにボランティア行ってみたい、と言っているよとメールが来ました。
嬉しくて震えてしまいました。
情けは人の為ならず
僕の好きな言葉に「情けは人の為ならず」という言葉があります。
しばしば誤用されますが、本来の意味は「人に情けを掛けておくと、巡り巡って結局は自分のためになる」という意味です。
息子たちにもこの言葉を教えました。まだちゃんと理解できていないと思いますが、いつか分かってくれると思います。
誰からから受けた恩恵は、また別の誰かに。
恩を送り合うと世の中はもっとステキになります。
自分の仕事に矜持を
初日、僕がボランティアとして派遣されたとある被災者のご自宅にて壊れた家事道具の片づけと室内と庭先の土砂の掻き出しを行いました。
家主の姿は見えない中での作業でした。
すると隣人の方がやってきて、
「ここの爺さん、新聞配達の仕事やっとるんや。自宅がこんな風になってるのに、被災してからもずっと早朝から新聞配っとったんや。そしたら10日後に倒れてしまった。80歳なのに無理したんや」
と、教えてくれました。
「こういう時こそ新聞が大切。新聞で情報入手して、不安を和らげることが出来る。絶対に配る」
と言いながら無理して新聞を配り続けられたとのことです。
自分の仕事に矜持を持つということを僕は教えられました。
縁と奇跡と偶然
初日の作業を終え、宿を求めて被害のない広島市内へ。
昔お世話になり、広島に行くと必ず訪れる広島駅近くのお好み焼き屋「たんぽぽ」さんへ。
無事でしたかと一声かけつつ、カウンターに着席。
おいしいお好み焼きを食べながら、話の流れで、ボランティアのために今回広島にきたことを伝えるとありがとうありがとうと繰り返されました。
そしてここから奇跡的な偶然が。
たまたま居合わせた広島カープのユニホームを着た常連さんが、
「ワシは呉出身や。本当にありがとう。たまたま今日これなくなった奴のチケットが余っとるで、これもらってくれ」と言い、
なんと、その日マツダズームズームスタジアムで行われるプロ野球の広島対巨人のチケットをくれたのだ。
マツダスームズームスタジアムで行われるチケットは人気のあまり、最近は入手困難らしい。しかも巨人戦。プロ野球好きの僕としては喜んで頂戴しました。
昔からの縁と、奇跡的な偶然が重なったのだ。
情けは人の為ならずと言っていたが、まさかこんな風に僕に返ってくるなんて。
後でナゴヤドームに行くのが大好きな長男次男に話したら、とんでもなく羨ましいがっていました。
図らずも、家を出る前に教えたことが現実になったわけです。
こんなことはそうそう起こりませんが、本当に幸運でした。
その後、僕は試合とスタジアムをしっかりと楽しみ、翌日の作業への英気を養うことができました。
子供は親の背中を見ている
子供親の働く姿を実際に見ると、親への尊敬が増す、という研究結果がでています。
働く姿のみならず、普段の言動や、他人との関わり方、生活において子供は常に親の背中を見ています。
親の背中を無意識に感じているという言い方の方が適切かもしれません。
親の皆さんには是非とも子供の目にはどう映っているかという視点を常に持っていてほしい。
子供は自分を映す鏡です。
子育てはいつも親を成長させてくれます。